まずはココから

エクステリアとは? エクステリアってこんなに大切!

  • エクステリアって何?
  • プランニングの必要性
  • これだけは押さえたいポイント

    ⅰ)エクステリアのプランニングの手順

    エクステリアの計画を始める前に、建物とエクステリア計画が同じ土俵の上で同時に計画される事が前提となります。これは、エクステリアの計画を配慮した建物の配置が決められることが求められ、建物とエクステリアが勝手に考えを進めたのでは良い“住い”は実現しないことを意味しますので、前記の前提の上にエクステリアの計画をはじめることが大切です。

    計画の最初は、住まい手の要望把握し、敷地まわり辺(敷地の形状、道路や隣家、地域の気候風土等)の状況を調査します、計画者は住まい手と一緒になって、計画の意図を決めます。そして計画意図に沿って外構や庭の様式を考慮しながら、各部位空間(駐車駐輪空間、門、塀まわり空間、アプローチまわり空間、サービスヤード空間、庭空間)のゾーニングへ(敷地内に各部位空間を割り当てる)と進めます。

    その各部位空間の配置を決めてから、空間間の動線を考えます。もちろん、各部位空間の配置を決める時には動線も同時に考えながら決める事にはなります。

    そして、各部位空間の配置計画の順序は、面積や機能、必要面積が大きく、敷地に対する影響力の最も大きい駐車・駐輪空間から始め、駐車空間や塀、建物の配置、玄関位置などに関係する門・塀まわり空間を次に考えます。門・塀まわり空間が決まるとアプローチまわり空間は必然的に決まって来ます。つぎに、サービスヤードまわり空間を決め、残った空間が庭空間となる順に計画を進め、計画を完了させます。

    ⅱ)各部位空間の計画

    各部位空間の具体的な条件整理をいかに示します

    ⅱ)-1. 駐車・駐輪空間

    敷地は狭くなり、家は大きくなる傾向で、駐車空間の確保が難しい現状にあります。駐車空間は、その面積の大きさと意匠の面において、建物配置や建物外観との関合いから、影響の大きい空間となります。
    機能の問題、意匠の問題、安全の問題、や塀との関合い等、充分な配慮が必要な空間と言えます。また、車の出た後や、車が駐車している時など、意匠的にも面積的にも、生活の快適性や街に対しての配慮が必要となる空間です。

    ⅱ)-2. 門まわり空間

    の構成が敷地全体の表情を左右します。を人の出入り口と考えるか、敷地の顔と考えるかによって建物への印象も異なります。は歴史的に建物や人の生活、職業によってもその形を変えてきました。
    の構成は、抵抗の無い動線と言う機能的な面と建物や街並み環境との調和の二面性を持っています。さらに、は単なる出入りの機能だけでなく、その場所の特性やまわり囲との関連性を十分に配慮しなければなりません。同時に住む人の個性や品格なども表すもので、その意匠性も重要になります。

    ⅱ)-3 塀まわり空間

    塀は境界線の真近に作る工作物を指し、当然建物を包む様に作られます。今日では外敵からの防御と言うより、外まわりからの視線の緩和や建物との調和をより重視すべきでしょう。道路側に設けられる塀は建物や門まわりりの様式及び街並み景観との調和、隣地側に設けられる塀は隣家への日照や通風、視線への配慮などが必要です。
    更に、建物との一体化を計った意匠で、素材やデザインも建物との調和、統一を考える事が重要です。また、建物の意匠を生かしながら、安全な快適空間の構成、生活環境の付加価値を高める事を心掛けます。

    ⅱ)-4. アプローチまわり空間

    エクステリアでは道路から建物の玄関までの道空間をアプローチと呼んでいます。
    今日1日を元気に充実して過すための出発の道空間共家、家族全員が毎日必ず利用する出入り頻度の高い道なので、安全で、歩きやすい、楽しく、美しい道空間。アプローチが豊であれば、ゆとりのある住いが創り出せる「考える道空間」と考えることが重要です。さらにアプローチには勝手口に向かう生活優先の機能的なサブアプローチと呼ばれる空間も含まれる。

    ⅱ)-5. サービスヤードまわり空間

    敷地の有効利用から生活優先空間から確保をしていく中、サービスヤード部分はますます狭く、貧相な空間となってきています。しかし、勝手口を含む、生活空間は重要な意味を持っています。
    ここでも、建物の配置がこの空間を決めてしまう大きな要素となっていますので、建物の計画とエクステリアの計画が同時期行うことが必要と言えます。

    ⅱ)―6. 庭まわり空間

    庭は古くから日本文化の伝統として伝承されてきました。現在では敷地の狭小化、経済的或いは思想的な理由から、個人の庭に従来の伝統的日本庭園が造られることは少なくなってきましたが、日本人の感性の中に日本庭園の美しさは生きていると言えます。
    しかし、現在では庭を「使う庭」としての考えから「戸外の部屋(屋根の無い部屋)」あるいはガーデニング(菜園、花壇)と言われる「庭作業空間」となることも多くなりました。つまり、庭は家族の趣味や考え方を反映するもう一つの快適な生活の場として重要な意味を持っています。
    また、庭に緑を取り入れ、花や実を楽しみ、季節を感じる等人の情操や子供の成育にも大きな影響を与える重要な空案と意識して作りたいものです。
    庭にはアプロ-チまわりの前庭に始まり、それぞれの場所や用途、意匠から中庭、主庭、裏庭、側庭(路地)等に分けられます。

    ⅲ)各部位空間との動線計画

    人間の“住い”は建物で寝起きするだけの器ではなく、個人生活の“場”なのです。つまりそこには生活の動線があり、心の遊べる情緒が有り、明日への活力を養う住空間構成がある。生活の動線というと、建物の中だけの動線を考えがちですが、建物の中で生活するには、まず建物に入るという動線がある。

    • ⅰ)道路から門、門から玄関へのアプローチ動線
    • ⅱ)道路から勝手口、サービスヤードのような建物外部動線。
    • ⅲ)室内から庭への動線。

    エクステリア工事には図に示したように、道路側から門や塀などの出入り口や囲いの部分、道路から家に出入りをするアプローチ部分、門まわりを構成する駐車や駐輪空間部分、道路から勝手口に出入りするサブアプローチ及びサービスヤード部分、さらに、前庭や坪庭そして主庭部分などが挙げられます。

    図